実習中や新人時代、こんな経験はないでしょうか。
「バイタル測ってきて。」
そう言われて血圧、脈拍、SpO₂を測定。
「血圧120/70です!」
と報告して終わり。
実は私自身、新人の頃はそんな感じでした。
しかし臨床を経験する中で気づいたことがあります。
バイタルサインは”数字を報告するため”ではなく、介入の安全性を判断するためにある。
今回は学生や新人PTに向けて、介入前に最低限確認しておきたいバイタルサインの考え方をまとめます。
そもそもバイタルサインとは?
バイタルサインとは、
- 血圧
- 脈拍
- 呼吸数
- SpO₂
- 体温
など、生体の状態を把握するための基本情報です。
理学療法では、
「運動に耐えられる状態か」
を判断するための重要な指標になります。
①血圧だけ見て安心しない
新人の頃によくあるのが、
「血圧正常だから大丈夫」
という考え方です。
しかし実際はそう単純ではありません。
例えば、
血圧 120/70mmHg
という数字だけ見れば正常です。
しかし患者さんが
- 顔色不良
- 冷汗
- 強い倦怠感
- めまい
を訴えていたらどうでしょうか。
数字は正常でも状態は良くないかもしれません。
大切なのは、
数字+患者さんの様子をセットで見ること
です。
②脈拍は「数」より「反応」を見る
脈拍も同じです。
脈拍70回/分だから問題ない。
ではなく、
- 不整はないか
- 以前より増えていないか
- 少し動いただけで急上昇しないか
を確認します。
例えば、
端坐位になるだけで
70回→110回
まで上昇する患者さんもいます。
こうした反応は、
体力低下や循環器負荷を示している可能性があります。
③新人ほど呼吸数を見よう
個人的に最も重要だと思うのが呼吸数です。
しかし臨床では意外と見落とされます。
なぜなら、
測るのが少し面倒だから。
ですが呼吸数は身体の異常を早期に反映しやすい指標です。
例えば、
- 肺炎
- 心不全
- 呼吸不全
- 全身状態悪化
などでは、SpO₂が保たれていても呼吸数だけ増加していることがあります。
呼吸数20回/分を超えている患者さんを見たら、
「何か起きていないか?」
という視点を持つことが大切です。
④SpO₂だけでは安全とは言えない
よくあるのが、
「SpO₂ 98%だから大丈夫です!」
という報告。
もちろん重要な情報です。
しかし、
SpO₂ 98%
呼吸数30回/分
だったらどうでしょう。
かなり努力して呼吸している可能性があります。
つまり、
SpO₂単独では患者さんの呼吸状態は評価できません。
呼吸数や呼吸様式も合わせて確認しましょう。
⑤最後に見るべきは患者さん本人
ここまで数字の話をしてきました。
しかし最も重要なのは、
患者さん本人を観察することです。
- 表情はどうか
- 会話は成立するか
- 疲労感はないか
- 顔色はどうか
- 眠そうではないか
こうした情報は機械では測れません。
むしろ異常のサインは数字より先に患者さんが教えてくれることもあります。
まとめ
介入前のバイタルサインで大切なのは、
「正常値を暗記すること」
ではありません。
患者さんが今、安全に運動できる状態かを判断することです。
そのために確認したいポイントは、
- 血圧
- 脈拍
- 呼吸数
- SpO₂
- 患者さんの様子
の5つ。
特に新人のうちは、
数字を見る前に患者さんを見る。
この意識を持つだけでも臨床の見え方は大きく変わると思います。
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