理学療法士として働き始めると、
「何を評価すればいいんだろう」
「どこから見ればいいんだろう」
と悩むことが多いと思います。
私自身も新人時代は、評価項目ばかりを追いかけていました。
しかし経験を重ねる中で感じるのは、
患者ごとに疾患は違っても、初回介入で見るべきポイントには共通点がある
ということです。
今回は、私が初回介入時に意識している流れをまとめてみます。
① まずカルテで危険因子を確認する
患者の前に行く前から評価は始まっています。
最低限確認したいのは、
・疾患名
・既往歴
・安静度
・荷重条件
・血液データ
・バイタルサイン
・認知機能
・転倒歴
です。
特に新人時代は、
「何ができるか」
よりも
「何をしてはいけないか」
を先に把握することが重要です。
例えば、
- 術後で荷重制限がある
- 心不全で循環動態が不安定
- 重度貧血がある
- DVTリスクが高い
などの場合、
評価内容そのものを変更しなければならないこともあります。
② 第一印象を大切にする
病室に入った瞬間から観察は始まっています。
私はまず、
- 表情
- 顔色
- 呼吸状態
- 覚醒レベル
- 会話の反応
を確認します。
患者が元気そうに見えても、
呼吸が浅い
会話が続かない
ぼーっとしている
などの変化が見られることがあります。
この段階で
「今日は攻められそうか」
「今日は慎重にいくべきか」
を判断しています。
③ バイタルサインを必ず確認する
新人ほど血圧やSpO₂だけを見がちです。
私は必ず
- 血圧
- 脈拍
- SpO₂
- 呼吸数
をセットで確認します。
数字だけでなく、
- 呼吸パターン
- 努力呼吸の有無
- 会話時の息切れ
も観察します。
④ 「どう動けるか」より「どう動いているか」を見る
起き上がりができた。
立ち上がれた。
歩けた。
ここで終わってはいけません。
重要なのは、
どうやって達成したか
です。
例えば立ち上がりなら、
- 足の位置
- 体幹前傾
- 荷重量
- 上肢依存
- 速度
などを観察します。
同じ「自立」でも中身は全く違います。
⑤ 動作を分解して考える
初回介入で大切なのは、
できない動作を見ることではなく、
どこで困っているのかを探すこと
です。
例えば歩行が不安定なら、
- 立位保持
- 荷重応答
- 片脚支持
- 振り出し
どこが問題なのかを考えます。
問題点が見えれば介入の方向性も見えてきます。
⑥ 患者の目標を聞く
意外と忘れられがちな部分です。
セラピストが考える目標と、
患者が望む目標は一致しないことがあります。
例えば、
セラピスト
「100m歩けるようになりましょう」
患者
「トイレに一人で行ければ十分」
ということもあります。
患者が何を大切にしているのかを知ることは非常に重要です。
⑦ 初回から完璧を目指さない
新人時代は、
「全部評価しなきゃ」
と思いがちです。
しかし初回介入ですべてを把握することは不可能です。
むしろ大切なのは、
- 危険因子の把握
- 現状の能力確認
- 仮説立案
です。
評価は一回で終わるものではありません。
介入を続けながら深めていくものです。
まとめ
私が初回介入で共通して意識していることは、
① 危険因子を把握する
② 第一印象を観察する
③ バイタルサインを確認する
④ 動作の質を見る
⑤ 動作を分解する
⑥ 患者の目標を聞く
⑦ 完璧を求めない
この7つです。
初回介入は「評価の時間」であると同時に、
患者との信頼関係を作る時間でもあります。
評価項目を埋めることよりも、
患者を理解すること。
それが良い理学療法の第一歩だと思います。
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